看護師の退職金について|金額の目安や計算方法を解説
看護師として働く際に、「退職金」が気になる人は多いです。看護師の退職金がどのようにして決まるのか、どのくらいの金額になるのか把握し、将来のライフプランを立てることも重要となるでしょう。本記事では看護師の退職金の基本や目安、もらえる金額を増やす方法などを解説します。
目次
1. 看護師の退職金制度の基本
2. 退職金の種類について
3. 退職金がもらえるタイミング・金額の目安
4. 看護師の退職金は職場によって変わる
5. 看護師の退職金を事前に計算する方法
6. 看護師の退職金を増やす方法とは?
7. 退職金が多い職場に転職する際のポイント
8. 退職金が多い職場に転職するなら「ナースキャリアネクスト」がおすすめ
9. まとめ
看護師の退職金制度の基本
看護師の退職金制度について知ることは、将来を考えるうえで重要な工程です。以下では、看護師の退職金制度の基本について解説します。
看護師も退職時に退職金を受け取れる
基本的に看護師も、退職の際に退職金を受け取れるケースが多いです。そのため退職金を考慮して、将来設計を立てることも可能となっています。退職金は月給やボーナスと比較して、大きな金額となるため、さまざまな使い道が検討できます。一方で、退職金の金額は就職している職場によって異なるため、事前の確認が必要です。
必ず退職金が出るわけではない
看護師として働いていても、必ず退職金が出るとは限らない点に注意が必要です。退職金は法律で決められている労働への対価ではないため、企業や施設が独自に支給額の計算方法などを設定します。まずは職場の就業規則などを確認し、退職金制度の有無をチェックしておくと良いでしょう。
退職金の種類について
退職金にはさまざまな種類があり、それぞれでもらえる金額やタイミングが変わります。働いている職場がどの種類の退職金制度を採用しているのか確認することで、具体的な金額や受けとれる時期を把握できます。以下では、退職金の主な種類を紹介します。
退職一時金とは
退職一時金とは、退職と同時に一括で退職金が支払われる制度のことです。厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によると、医療・福祉業界の企業において、96.2%が退職一時金を採用しています。ほとんどの職場で退職一時金制度が利用されているため、一般的には退職のタイミングで一括で総額を受けとる形になるでしょう。
退職年金とは
退職年金とは、定年後に分割して受け取る方式の退職金のことを指します。全額が一括で支給されず、複数年に分けて支払われるのが特徴です。一括で受けとれないため、将来の生活に備えて計画的に運用しやすいです。退職年金では、「確定給付企業年金(DB)」や、「企業型確定拠出年金(企業DC)」などの制度が使われます。
退職金前払いとは
退職金前払いとは、毎月の給与に退職金の分を上乗せして支給する制度のことです。退職時に退職金がもらえる制度ではないため、将来に活かすためには、毎月自分の意思で貯蓄が必要になります。一般的に退職金前払い制度は、基本給が高い職場で採用されるケースが多いです。
退職金がもらえるタイミング・金額の目安
看護師が退職金をもらえるタイミングや金額には、ある程度の目安があります。将来に備えて具体的な計画を立てるためにも、以下でタイミングと金額の目安を確認しておきましょう。
看護師は勤続3年目から退職金が出るケースが多い
看護師は勤続3年目から、退職金の支給対象になるケースが多いです。3年目を目安に退職金の金額が計算され、長く働くほど支給額は増加します。退職金が出ると、次の仕事を探す際に経済的な余裕が生まれます。逆にいえば、3年に満たずに退職した場合、退職金が出ない可能性がある点に注意が必要です。
3年間働いた場合の看護師の退職金
3年間働いた場合の看護師の退職金は、30万円前後が目安になります。多くの金額は期待できないため、次の仕事をみつけるまでの生活費などにあてるケースが多いです。そのため退職金だけを当てにして、次の仕事をみつけずに辞めるのはリスクがあります。退職金の金額を事前に確認したうえで、転職活動をすることがポイントです。
10年間働いた場合の看護師の退職金
10年間働いた場合の看護師の退職金は、250万円前後が目安です。役職を担当するなど貢献度が高かった場合、300万円程度まで上がる可能性もあります。それなりの金額が支給されるため、一旦仕事を離れてスキルアップに励んだり、じっくりと腰を据えて転職活動をしたりと、さまざまな方法が検討できます。
「看護とは、あらゆる場であらゆる年代の個人および家族、集団、コミュニティを対象に、対象がどのような健康状態であっても、独自にまたは他と協働して行われるケアの総体である。看護には、健康増進および疾病予防、病気や障害を有する人々あるいは死に臨む人々のケアが含まれる。また、アドボカシーや環境安全の促進、研究、教育、健康政策策定への参画、患者・保健医療システムのマネージメントへの参与も、看護が果たすべき重要な役割である。」
20年間働いた場合の看護師の退職金
20年間働いた場合の看護師の退職金、450万円前後になります。看護師としてベテランになるため、そのスキルの高さやこれまでの職場への貢献度を考慮して、600万前後まで退職金が上がるケースもあります。年齢的にもライフステージが大きく変わる時期であるため、自宅の購入費や子どもの学費など、大きな出費に退職金を使うことも考えられます。
看護師の退職金は職場によって変わる
前提として、看護師の退職金は職場によって変動します。自分が勤めている職場によっては、退職金が先に紹介した目安を上回ることもあれば、下回る可能性もあります。以下では、看護師の職場ごとの退職金の目安を紹介します。
国立・公立・私立病院に勤務する看護師の退職金
国立・公立・私立病院など、規模の大きな職場を定年退職する看護師の退職金は、比較的高く設定されています。国立であれば定年退職時に1,800〜2,000万円程度、公立は都道府県立で1,400万円、政令指定都市で1,900万円、市町村立で1,800万円程度になります。私立の場合は800~2,000万円程度と、目安の幅が広くなります。
あくまで目安になりますが、高めの退職金をもらえるケースが多いです。退職金を考慮して、国立・公立・私立の病院に転職することも検討できます。
民間病院・クリニックに勤務する看護師の退職金
民間病院やクリニックにおける定年退職の退職金は、職場によって大きく変わります。一般的には事業の状況やこれまでの実績などによって、金額が変動します。実際に定年で退職した人の話を聴いて、参考にすることが1つの方法となるです。
看護師の退職金を事前に計算する方法
看護師が退職金を事前に計算するには、いくつかの方法があります。計算方法はベースとなる要素によって変わるため、自分の勤める職場にあわせて計算が必要です。以下では、看護師の退職金を事前に計算する方法をそれぞれ解説します。
退職金の計算方法1.基本給ベース
基本給ベースとは、退職時の基本給に勤続年数をかけて計算する方法です。具体的には「退職金 = 基本給 × 勤続年数」で、詳細な退職金を計算できます。
退職金の計算方法2.固定金ベース
固定金ベースとは、医療機関が決めた固定金額に対して、勤続年数をかける形で計算する退職金のことです。「退職金 = 固定給 × 勤続年数」で、退職金の金額を事前に計算できます。
退職金の計算方法3.勤続年数ベース
勤続年数ベースとは、看護師として働いた勤続年数を参考に退職金を決める方法を指します。特別な計算式は用いずに、「〇〇年以上は〇〇円」と一律で決められる点が特徴です。
退職金の計算方法4.功績倍率ベース
功績倍率とは、職場への貢献度を数値化したものです。功績倍率ベースでは職場への貢献度が高い看護師ほど、高い退職金が得られます。計算式は「退職金 = 基本給 × 勤続年数 × 功績倍率」となり、功績倍率を考慮して計算されます。
看護師の退職金を増やす方法とは?
看護師の退職金を増やすには、さまざまな方法が考えられます。少しでも将来に残るお金が増えるように、早くから工夫を凝らすこともポイントです。以下では、看護師が自身の退職金を増やす方法を解説します。
職場で重要な役職に就く
職場で重要な役職に就くことで評価を高め、退職金をアップさせることが方法の1つです。看護主任、看護師長、看護部長などの役職に就ければ、その分退職金が上乗せされるケースがあります。役職に就くことで手当ももらえるため、退職するまでの給料がアップする点もメリットです。
スキルアップや資格取得などを通して、役職に就くことを目指してみるのもおすすめです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)制度を利用する
職場の退職金とは別に、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」で老後に備えるのも1つの方法です。iDeCoで自分の意思による退職金制度を運用しておけば、職場からもらえる金額とあわせて、高額な退職金を受けとれます。また、iDeCoに拠出した金額は確定申告で控除できるため、節税につながる点もメリットです。
退職金の多い職場を探して転職する
退職金の多い職場に転職し、そこで勤続年数を重ねるのも1つの手段です。そもそも退職金制度がない職場の場合、どれだけ長く働いても退職時に得られるお金がありません。退職金制度がある職場を探し、転職の機会にするのもおすすめです。
退職金が多い職場に転職する際のポイント
退職金が多い職場に転職する際には、いくつかのポイントがあります。以下を参考に、退職金を踏まえつつ、最適な転職をする方法を確認してみてください。
退職金以外の項目もしっかりと確認する
退職金が理由の転職でも、そのほかの項目もしっかりと確認しましょう。待遇、労働環境、職場の雰囲気などをチェックしたうえで、納得できる職場に転職することがポイントです。事前に確認を怠ると、転職してから自分にあわないと後悔する可能性もあるため注意が必要です。
転職支援サービスを利用する
転職支援サービスを利用して、スムーズな転職を実現するのもポイントの1つです。看護師を専門的に支援するサービスを利用すれば、充実したサポートと多くの求人情報を得られます。看護師を必要とする職場を効率良く探すためにも、まずは転職支援サービスに登録してみましょう。
退職金が多い職場に転職するなら「ナースキャリアネクスト」がおすすめ
退職金が多い職場への転職を目指すのなら、「ナースキャリアネクスト」の利用がおすすめです。「ナースキャリアネクスト」は看護師の転職支援に特化したサービスで、多くの実績と優秀なアドバイザーを持ちます。全国に約17万(※2023年時点)以上ある病院や医療機関から、最適な病院・医療機関を選定して紹介が可能です。
この機会に「ナースキャリアネクスト」に登録して、アドバイザーと実際の求人情報を活用した、転職活動を始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
看護師も退職金をもらえる機会が多く、働いている年数や貢献度によっては、多くの金額を受けとれます。いまの職場の退職金制度を確認し、どの程度の支給額になるのかチェックしてみるのがおすすめです。一方で、職場によっては退職金がもらえない可能性もあります。その場合には転職を検討し、退職金制度がある職場に移ることも考えられるでしょう。
転職の際には、看護師の支援を専門とした「ナースキャリアネクスト」への登録がおすすめです。転職支援のプロであるアドバイザーが、面接の設定や条件交渉などを担当するため、スムーズに転職活動を進められます。まずは「ナースキャリアネクスト」への無料登録から、アドバイザーにお気軽にご相談ください。
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