看護師のキャリアアップについて解説|理想のキャリアの実現方法やキャリアプランを紹介
看護師の仕事に慣れてくると、「キャリアアップしたい」という意欲が芽生えてくるものです。しかし、具体的にどう行動すればよいのかわからず、困ってしまう人も多いでしょう。
本記事では、看護師の主なキャリアプランや、キャリアアップを実現するためのポイントを解説します。
目次
1. 看護師がキャリアアップを目指すメリット
2. 看護師のキャリアアップにおける3つの選択肢
3. スペシャリスト(専門職)を目指す場合のキャリアプラン
4. ジェネラリストを目指す場合のキャリアプラン
5. マネージャーを目指す場合のキャリアプラン
6. まだまだある!看護師のキャリアプラン
7. 看護師が理想のキャリアを実現する方法
8. キャリアアップを実現するための病院の選び方
9. 看護師のキャリアアップに役立つスキル
10. まとめ
看護師がキャリアアップを目指すメリット
看護師がキャリアアップを目指すと、以下のようなメリットを期待できます。
責任や裁量が増え、やりがいを感じやすくなる
さまざまな経験を積み、看護師としてのスキルが向上すれば、現場で任せてもらえる仕事の幅が広がり、自分の裁量で働ける機会も増えるでしょう。昇進すればより責任のある仕事を受け持つこともでき、やりがいを感じやすくなります。
転職・再就職に有利に働く
キャリアアップを目指して、スキルや経験を身につけていけば、転職市場での需要が高まります。好条件での転職だけでなく、結婚・出産などで一度現場を離れた場合の再就職にも役立つでしょう。
収入アップにつながる
キャリアアップによって、今いる職場で昇進したり手当が付与されたりすると、収入がアップします。また、転職することになった場合も、好条件の職場を選びやすくなるでしょう。
看護師のキャリアアップにおける3つの選択肢
看護師のキャリアは、主に3つのルートに分かれます。
スペシャリスト(専門職)
特定の分野において、深い知識や経験を持つ看護師を目指すルートです。自分の強みやこれまでの経験を活かして、特定分野の看護スキルを極めたい人におすすめです。
スペシャリストを目指すためには、「がん看護」や「老人看護」など、特定分野に対する専門性を高める必要があります。
ジェネラリスト
分野・領域にかかわらず、豊富な知識やスキルを持つ看護師を目指すルートです。幅広い職場で臨機応変に活躍できる、オールラウンダー的存在といえるでしょう。
多方面に渡る知識やスキルが求められるため、さまざまな診療科で経験を積む必要があります。
マネージャー
いわゆる管理職を目指すルートです。看護師としての知識やスキルだけでなく、集団のなかでリーダーシップを発揮し、チームをまとめる能力が求められます。
スペシャリスト(専門職)を目指す場合のキャリアプラン
看護師がスペシャリストを目指す場合は、主に2つのキャリアプランが考えられます。
認定看護師
「日本看護協会」より、特定分野における高度な知識と、高い看護技術を持っていることを認められた看護師のことです。同協会によると、認定看護師には「実践」「指導」「相談」の3つの役割が期待されています。
・実践:患者さんやその家族などに対し、高水準の看護を実践する
・指導:看護実践のなかで、ほかの看護師を指導する
・相談:ほかの看護師に対して、コンサルテーションを行う
認定看護師になるためには、認定看護師教育機関で所定のカリキュラムを修了する必要があります。
専門看護師
「日本看護協会」より、特定分野における知識や技術を認められた看護師のことです。
専門看護師は、前述の「実践」「指導」「相談」に加えて、次の3つの役割を求められます。
・倫理調整:患者さんやその家族などの権利を守るため、倫理的問題や葛藤の解決を図る
・教育:ほかの看護師に対して、ケアを向上させるための教育的役割を果たす
・研究:専門知識や技術の向上・開発を図るため、実践の場における研究活動を行う
専門看護師になるためには、看護系大学院の修士課程(2年~)で所定の単位を取得する必要があります。
ジェネラリストを目指す場合のキャリアプラン
ジェネラリストとして活躍するためには、幅広い知識が必要です。ジェネラリストを目指すなら、期間を決めてさまざまな病棟での仕事を経験するとよいでしょう。
ただし、それぞれの職場での勤続年数が短くなりやすいため、経験を積んでいる間は給与が上がりにくいかもしれません。待遇面ではあまり高水準を目指しすぎず、地道にコツコツがんばることが大切です。
マネージャーを目指す場合のキャリアプラン
看護師がマネージャーを目指す場合は、主に以下の3つのキャリアプランが考えられます。
看護主任
看護の現場における、リーダー的なポジションです。現場のスタッフたちをまとめあげるだけでなく、現場の声をさらに上の管理職に伝えるハブ的な役割を担います。
病院によっては「副看護師長」と呼ばれることもあるでしょう。
看護師長
各病棟や、診療科ごとの看護師を統括するポジションです。看護の現場のトップとして、スタッフの育成にも取り組みます。病院によっては、スタッフの勤怠管理を任されることもあるでしょう。
看護部長
病院全体の看護部門のトップに位置するポジションです。看護主任や看護師長が現場を統括する立場なのに対し、看護部長は経営陣の一角を担います。
また、病院によっては看護部長が副院長と兼任するケースもあり、病院運営において重要な役割を持ちます。看護部長まで出世すると実際に看護業務を行うことはごく稀で、基本的にはマネジメント業務が中心です。
まだまだある!看護師のキャリアプラン
ここまで紹介した例以外にも、看護師はさまざまなキャリアプランを描くことができます。
訪問看護師
患者さんの自宅を訪問し、主治医の指示に基づく療養上のケアや、診療の補助をする看護師です。「病院ではなく、住み慣れた我が家で過ごしたい」という患者さんに寄り添う在宅医療やターミナルケア、メンタルケアなどを担当します。
患者さん1人ひとりに時間をかけて、じっくり向き合いたい人におすすめです。
企業看護師
病院ではなく一般企業に勤め、従業員が健康な状態で働くことができるようサポートします。
患者の急変やナースコールなどの緊急的な対応がないため、ワークライフバランスを保ちやすいでしょう。夜勤もないため、生活リズムが不規則になりにくいというメリットもあります。
国際看護師
日本以外の国で活躍する看護師のことです。「国際看護師」という資格があるわけではありませんが、国によってはその国の看護師資格を取得する必要があります。
なかでもオーストラリアは、看護師として働くことで永住権の取得が可能なため、人気があります。世界で活躍したい人、将来は海外で生活したい人におすすめです。
看護師が理想のキャリアを実現する方法
看護師が理想のキャリアを実現するためには、以下のポイントをおさえることが重要です。
自分の現状を把握する
自分の知識やスキル、強み・弱みを理解することで具体的なキャリアプランを立てられるようになります。自分の現状を把握し、強みを活かしたキャリアプランを立てましょう。
目標達成のための計画を立てる
キャリアプランが描けたら、目標達成のために必要なことを洗い出します。
理想のキャリアに着実に近づくためには、「3年後までに◯◯の資格を取得する」というように、期限とセットで具体的な計画を立てることが重要です。
常にアンテナを張り、情報を集める
理想のキャリアを実現するためには、情報収集が欠かせません。自分にとって有利な情報、役立つ情報を収集し、効果的なキャリアアップを目指しましょう。
先輩看護師や同僚など、周囲の人への相談もおすすめです。
自己学習に励む
看護師のキャリアには、資格取得や専門性の向上が求められることも多いでしょう。また、知識を深めるためには、病院以外での自己学習が欠かせません。
理想のキャリアから逆算して、必要なスキルや資格を取得することが大切です。
セミナーや勉強会に参加する
1人で勉強していると息が詰まり、モチベーションが低下してしまうこともあります。そんなときは、セミナーや勉強会に参加するのもおすすめです。同じような目標を持つ人たちからよい刺激を受け、モチベーションが回復する場合があるでしょう。
また、同じような目標を持つ看護師仲間から有益な情報を得られることもあります。
キャリアアップを実現するための病院の選び方
キャリアアップを目指すなら、以下の3つのポイントを参考に病院選びにもこだわりましょう。
キャリアプランを決めかねているなら「総合病院」
総合病院は診療科が複数あるため、1つの病院内でさまざまな経験を積むことができます。各診療科では専門的な医療を提供しているので、専門性を高めることも可能です。
ジェネラリスト、スペシャリスト両方の道を切り開ける選択といえるでしょう。
最先端の医療に触れるなら「大学病院」
大学病院は最先端の医療に携われる機会が多く、専門性を高めたい人にはうってつけの環境です。勉強会も頻繁に開催される傾向があり、やる気次第でどんどん知識をアップデートできます。
効率的に勉強したいなら「e-ラーニングを導入している病院」
看護師は多忙なので、自分自身でまとまった勉強時間を確保するのは困難な場合もあるでしょう。
近年では、看護師の教育にe-ラーニングを取り入れている病院も多く、隙間時間を有効活用したい人には選択肢の1つとおすすめです。導入しているシステムによっては、医療系資格のオンライン受験が可能な場合もあります。
看護師のキャリアアップに役立つスキル
以下のようなスキルを身につけておくと、キャリアアップに有利に働く可能性があるでしょう。
コミュニケーションスキル
看護師は常に人と接する仕事なので、どのようなキャリアを選ぶにしろ、高いコミュニケーションスキルが必要です。患者さんやその家族だけでなく、同僚や上司とよい人間関係を築いておくと、キャリアアップに役立つ知識を得やすくなる可能性があります。
リーダーシップスキル
キャリアを重ねていくと、いずれはリーダーとしての役割を求められることもあるでしょう。リーダーの統率力は、チーム内の人間関係やまわりの看護師のモチベーションにも影響を与えます。
チームをまとめるリーダーシップを身につけておけば、キャリアの幅がさらに広がるでしょう。
医療以外に関する知識・スキル
医療分野以外の知識やスキルが、看護師としてのキャリア形成に役立つ場合もあります。
例えば、傾聴、カウンセリングやコーチングなどがおすすめです。興味を持てるものがあれば、まずは基本的な内容を勉強するところからはじめてみましょう。
まとめ
看護師は、スペシャリスト(専門職)やジェネラリスト、マネージャーだけでなく、さまざまなキャリアプランを描くことができます。目標から逆算してスキルや知識を身につけ、理想のキャリアアップを実現しましょう。
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