看護師が「転職失敗」と感じる理由とパターン別の対策|職場選びのチェックポイントも解説
看護師として働いて数年が経つと、自分のキャリアや適性を考えて、転職を検討しはじめる人が増えてくるでしょう。しかし、なかには転職に失敗して、前よりも労働環境が悪化してしまうケースもあります。
そこで、本記事では、看護師が転職失敗する理由や転職失敗のよくあるパターンを紹介します。転職失敗を回避するためのヒントとして、ぜひ役立ててください。
目次
1. 「仕事を辞めたい」と考えている看護師は約8割
2. 看護師が「転職失敗」と感じる理由とは?
3. 【人間関係・業務内容編】看護師の転職失敗パターン&対策
4. 【待遇編】看護師の転職失敗パターン&対策
5. 【キャリアプラン編】看護師の転職失敗パターン&対策
6. 看護師が転職成功するための3つのポイント
7. 看護師が転職先を選ぶ際のチェックポイント
8. 看護師が転職先を探す手段
9. 転職サイトの基本的な利用手順
10. 病院だけじゃない!看護師が活躍できる職場
11. 看護師が転職失敗しないための注意点
12. まとめ
「仕事を辞めたい」と考えている看護師は約8割
日本医療労働組合連合会によって行われた「2022年 看護職員の労働実態調査」によると、看護師の6割以上が仕事で強いストレスを感じているとされています。さらに、「仕事を辞めたい」と思いながら働いている看護師は約8割にのぼります。
これらの結果から、看護師が転職を検討するケースは少なくないといえるでしょう。
※参照:2022年 看護職員の労働実態調査|日本医療労働組合連合会
看護師が「転職失敗」と感じる理由とは?
ここからは、看護師が「転職失敗した」と感じる主な理由を解説します。
事前の準備不足
医療業界は慢性的な人手不足に陥っており、1人あたりの業務量が多くなりがちです。そのため、日々の業務に追われ、あまり情報収集をしないまま転職し、入職後にギャップを感じてしまうケースが少なくありません。
自己分析の時間が足りず、自分に合う職場を選べなかったという場合もあるでしょう。
職場の雰囲気や業務内容が合わなかった
看護師の仕事はチームプレーが不可欠なので、職場の人間関係は重要です。職場の雰囲気が合わず、良好な人間関係を構築できないと「転職失敗した」と感じてしまうでしょう。
また、転職先での業務内容が合わず、スキル不足を実感して落ち込んでしまう看護師も少なくありません。
待遇面での条件が下がってしまった
給与が下がったり、休みが減ったりと、転職後に待遇面での不満を抱えるケースも多くあります。
看護師の給与は夜勤の回数に大きく左右されるため、諸々の条件が同じでも手取り額が下がる可能性があるでしょう。
【人間関係・業務内容編】看護師の転職失敗パターン&対策
ここからは、看護師のよくある転職失敗パターンを紹介します。まずは、転職先の人間関係や業務内容における失敗例からです。
看護師同士のコミュニケーションが少ない
病院の規模や診療科の特性などにより常に忙しい職場では、看護師同士のコミュニケーションが少ない傾向があります。職場の人間関係が希薄だと、聞きたいことがあっても遠慮してしまったり、居心地の悪さを感じたりと、さまざまな弊害が生じてしまいます。
「看護とは、あらゆる場であらゆる年代の個人および家族、集団、コミュニティを対象に、対象がどのような健康状態であっても、独自にまたは他と協働して行われるケアの総体である。看護には、健康増進および疾病予防、病気や障害を有する人々あるいは死に臨む人々のケアが含まれる。また、アドボカシーや環境安全の促進、研究、教育、健康政策策定への参画、患者・保健医療システムのマネージメントへの参与も、看護が果たすべき重要な役割である。」
こうした失敗を防ぐためには、職場の雰囲気をあらかじめ確認しておくことが大切です。事前に職場見学を申し込んだり、退職者の口コミをチェックしたりと、職場の雰囲気や人間関係に関する情報を収集するとよいでしょう。
求人情報と実際の業務内容が違った
なかには「入職後、求人票の内容と実際の業務内容に異なる点があった」というケースもあります。希望する業務内容と、実際の業務内容が異なるとなれば、キャリアプランにも影響が及んでしまいます。面接中などに少しでも「話が違う」と感じたら、詳しく話を聞いてみましょう。
また、雇用契約書や労働条件通知書で、労働条件を確認することも大切です。転職サイトを利用する場合は、アドバイザーに相談するとよいでしょう。
【待遇編】看護師の転職失敗パターン&対策
次に、待遇におけるよくある転職失敗パターンと、その対策を紹介します。
入職直後に経営難で給与が下がってしまった
入職後に病院が経営難となり、給与や福利厚生などの待遇面が下がってしまったというケースもあります。
こうしたトラブルを防ぐためには、給与や待遇などを細かく記載した採用条件提示書の発行を依頼するとよいでしょう。
有給を取得できない雰囲気
常に人手が足りず、有給取得を申請しづらい職場に転職してしまったという看護師もいます。
まずは、年間休日の数と有給制度について確認するとともに、有給消化率についての口コミをチェックしましょう。退職者のリアルな声を確認することで、「有給の取りやすさ」を事前に把握できます。
【キャリアプラン編】看護師の転職失敗パターン&対策
ここからは、キャリアプランにおけるよくある転職失敗パターンと、その対策を紹介します。
希望の部署に配属されなかった
人的リソースの関係などで、思い描いたキャリアプランとは別の部署に配属されてしまうケースもあるでしょう。
なかには「求人票に記載の配属先と、実際の配属先が違った」というケースもあるため、面接時に詳しく話を聞いておくと安心です。
忙しすぎてあまり教育を受けられない
求人票では未経験者を歓迎しているように記載されていても、実際の現場は常に慌ただしく、教育を受ける余裕がないケースもあります。
研修制度やプリセプター制度の有無、看護師の人数が足りているのか、といったポイントを事前に確認しておくと安心です。
看護師が転職成功するための3つのポイント
看護師が転職を成功させるためには、以下の3つのポイントに注意することが大切です。
理想のキャリアや労働条件を明確化する
まずは、自己分析を通して、理想のキャリアや労働条件を明確にしましょう。
自分が「転職に求めること」が明らかになれば、転職先の希望条件も明確化できます。
リアルな情報をチェックする
気になる病院・施設が見つかったら、そこで働いている(いた)看護師の口コミをチェックしましょう。
可能であれば事前に職場を見学し、できる限りリアルな情報に触れることが大切です。
複数の病院・施設を比較する
転職先ははじめから1つに絞り込まず、複数の病院・施設を比較することをおすすめします。
待遇面や教育体制など、自分が重視するポイントを比較することで、自分にとってより好条件の求人を選びやすくなるでしょう。
看護師が転職先を選ぶ際のチェックポイント
転職先に求める条件は人それぞれ異なりますが、以下の3つは必ずチェックしておきたいポイントです。
職場の雰囲気、人間関係
口コミサイトや転職情報サイトなどをチェックし、職場の雰囲気に関する評価が高い病院・施設を選びましょう。
現在の職場で人間関係に悩んでいる人は、とくにチェックしたいポイントです。
「20代が多い」「子持ちが多い」など、看護師の層を確認し、自分と同じような属性の人が多く集まる職場を選ぶとよいでしょう。
給与・福利厚生
給与額に満足できると、働くモチベーションがアップするものです。
ただし、待遇を優先した結果、「仕事が忙しすぎてプライベートを確保できない」という別の悩みが生じる場合もあります。待遇面以外の条件も洗い出し、自分にとっての優先順位をつけることがおすすめです。
働き方・業務内容
転職活動における職場選びは、今後のキャリアプランに大きな影響を与えます。できるだけ具体的なキャリアプランを描き、自分にとって必要な経験や、やりがいを感じられる業務ができる職場を選ぶとよいでしょう。
また、「週休2日制か4週8休制」や「2交代制か3交代制」など、働き方もチェックすることが大切です。
看護師が転職先を探す手段
看護師が転職先を探す方法としては、転職サイトやハローワーク、求人広告サイトや友人・知人からの紹介などが考えられます。病院のホームページに求人情報が掲載されている場合もあるので、気になる病院があったらチェックするとよいでしょう。
はじめて転職活動をする人や、転職を失敗したことがある人には、転職サイトがおすすめです。転職のプロによるサポートを受けながら、自分の希望条件に合う職場を探せます。採用条件や配属先の確認なども依頼できるため、「聞いていた話と違う」という事態を防ぐことが可能です。
転職サイトの基本的な利用手順
「転職サイトが気になってきた」という人に向けて、基本的な利用手順を解説します。
なお、具体的なサービス内容や利用手順は転職サイトによって異なるため、以下はあくまで参考程度としてください。
1.登録・キャリアカウンセリング
転職サイトに登録したら、まずはキャリアアドバイザーによる面談を受けます。
現在の職場環境に対する不満や、希望条件などを伝えましょう。
2.求人案内・応募
キャリアカウンセリングの内容をもとに、アドバイザーが希望条件に合う求人を紹介します。
気になる職場が見つかったら、アドバイザーのサポートを受けながら求人に応募しましょう。
3.選考・内定
選考後、内定が出たら現在の職場での退職手続きを進めます。
転職サイトによっては、新しい職場との条件交渉を依頼できる場合もあるでしょう。
病院だけじゃない!看護師が活躍できる職場
看護師が活躍できる職場は、病院以外にもさまざまあります。
一般企業
一般企業の健康管理室や医務室で、企業看護師(産業看護師)として勤務するキャリアプランも考えられるでしょう。土日休みの職場が多いため、家族と休みを合わせやすい点がメリットです。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションの訪問看護師として、患者さんの自宅を訪問して医療ケアを行う道もあります。患者さん1人ひとりとじっくり向き合いたい人に向いているでしょう。
介護施設
介護施設の看護師は、介護士と連携しながら入居者の健康を守る役割を担っています。高齢化社会が進むにつれ、介護施設における看護師のニーズはますます高まっていくでしょう。
看護師が転職失敗しないための注意点
看護師が転職で失敗しないためには、以下のポイントに注意することが大切です。
退職は内定を獲得してから
いまの職場は、内定を獲得してから退職しましょう。内定が出ていない状態での退職はリスクが高く、無職期間が長引いてしまう恐れもあります。また、無職になると焦りが生じ、希望しない職場に転職せざるを得ない状況にもなりかねません。
信頼できる相談相手をつくる
信頼できる相手に相談すると、自分の状況を整理できます。自分以外の視点を取り入れることで、転職成功の可能性が高まるでしょう。
職場の悩みを打ち明けられる人がいない場合は、転職サイトのアドバイザーやエージェントに相談することをおすすめします。
まとめ
転職活動には、なにかと不安がつきものです。しかし、看護師の転職における失敗例をおさえておけば、転職失敗の可能性を軽減することができます。よくある失敗パターンと対策をおさえ、理想の転職を実現しましょう。
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