男性看護師の転職事情とは?平均給与や転職で成功するコツ、男性ならではの悩み、心構えを解説

男性看護師の需要は年々高まり、就業数は右肩上がりです。しかし、いまだに女性が多い環境での働き方に悩んでいる人も多いといいます。この記事では、男性看護師の就業状況や仕事の悩みを含めて、活躍できる診療科目を解説します。また、転職で成功するコツも解説していますので、スムーズな転職や自身のキャリアアップにぜひお役立てください。

 


目次

 

1. 男性看護師の就業状況

 

2. 男性看護師の平均給与

 

3. 男性看護師ならではの悩み

 

4. 男性看護師が活躍している診療科目や医療施設

 

5. 男性看護師におすすめな診療科目や医療施設

 

6. 男性看護師として転職を成功させる3つのポイント

 

7. 男性看護師がストレスなく働く3つのコツ

 

8. まとめ

 

 

男性看護師の就業状況

現在、医療ニーズの多様化や高齢化により男性看護師の需要は高まっています。まずは、就業状況について解説します。

 

職場における女性の割合は高い

厚生労働省による「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」の調査では、男性看護師の割合は8.1%、女性看護師は91.9%でした。多様化する社会で男性看護師の需要が増えているとはいえ、女性看護師の9割に比べると圧倒的に少ないことが分かります。まだまだ、看護師は女性のイメージがある職業ということが、割合からも見受けられます。

 

男性看護師の就業数は増加傾向にある

厚生労働省の「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、男性看護師の就業数は年々増え続けています。平成30年の男性看護師の就業数は、95,155人だったのに対し、令和2年には104,365 人にまで増えました。今後、男性看護師の割合が増加する可能性が高いことが示されたといえるでしょう。

 

※参考:令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省

 

男性看護師の平均給与

看護師の給与は高い傾向にありますが、実際はどうでしょうか。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、男性看護師における規模が10人以上の企業の平均月収は、以下の通りです。

 

年齢

20~24歳 

25~29歳 

30~34歳 

35~39歳 

40~44歳 

45~49歳 

50~54歳 

55~59歳 

60~64歳 

月収 

(千円)  

278.4

330.0

360.1

368.4

385.1

400.0

411.1

364.8

330.9

 

男性看護師の平均月収は、勤務する医療機関や業務内容により異なります。

 

※参考:賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査

職種(特掲)、性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) 

 

男性看護師ならではの悩み

女性が多い職場において、働く男性看護師ならではの悩みについて解説します。

 

問題や悩みを相談できる相手が少ない

職場では女性看護師と協力して仕事をするものの、男性看護師は全体の8%ほどしかいません。問題や悩みは、身近な同僚や先輩に理解してもらうことが、解決につながります。しかし、コミュニケーションの難しさや男性特有の悩みを共有しにくいと感じている人もいます。働き方や今後のキャリアなどを相談する相手がいないと悩む男性看護師は少なくありません。

 

女性患者とのコミュニケーションが難しい

看護では、女性患者の体に触れる場合もあるため、排泄や入浴の介助を男性看護師にしてほしくないと拒否されるケースもあります。また、男性患者からも体を触られることを、断られる場合もあるようです。これらが要因で、自信を失ったり精神的に苦痛を感じたりすると、患者と信頼関係を築くのが難しく、業務に支障をきたすこともあります。

 

力仕事を頼まれやすい

男性は体力があるというイメージから、男性看護師は力仕事を任される傾向にあります。女性が多い職場で力仕事を頼まれると、断りにくいものです。寝たきりの患者の身体移動やケア、重い物の運搬など、1人で担うことはストレスや悩みにつながります。女性看護師からは力仕事の助けとして頼られますが、それが負担となることがあります。

 

職場環境が整っていない

女性が多い医療機関や小規模施設では、男性用トイレや更衣室、仮眠室などが不十分な場合があり、女性と設備やスペースを共有することが、男性看護師にとってストレスになります。男性看護師のなかには、女性看護師と夜勤が一緒になると外来の椅子で休憩する人もいるようです。女性しか採用してこなかった施設では、男性の受け入れ体制を整える必要があります。

 

男性看護師が活躍している診療科目や医療施設

男性看護師は、体力や腕力の面で重宝される傾向があります。患者の身体的なことだけでなく、男性ならではの悩みなど、精神的なケアにおいても役割を果たせるでしょう。そのため、男性看護師が活躍できる職場には、手術室、救急外来、ICU、精神科、人工透析内科、整形外科、脳神経外科、リハビリテーション科、介護施設などが考えられます。

 

男性看護師におすすめな診療科目や医療施設

男性看護師が求められている職場もあります。ここでは、男性の割合が多く、比較的働きやすい職場を解説します。

 

手術室

手術室は、長時間の立ち仕事や重い器具の取り扱いが多く、男性が重宝されるのが特徴です。手術だけでなく、夜間オンコールへの対応などもあるため、支度に時間がかからない男性看護師の方がすぐに対応できます。また、他の診療科目と比較すると患者とのコミュニケーションの機会が少なく、接し方に悩む人でも働きやすいといえるでしょう。

 

救急外来・ICU

救急外来やICUでは、重篤患者のケアが中心です。特に夜間帯は救急処置が求められることもあり、体力面においても需要が多いのが特徴です。医師が行う救急治療のなかで、処置介助をすることになるので、緊迫した状況で常に最善を尽くして働かなければなりません。そのため、高いスキルを身につけられます。

 

精神科

精神科は、以前から男性看護師が多く在籍しており活躍できる職場です。重傷者の対応やセキュリティ要員として役割を担うこともあります。精神科の患者は、疾患はあるものの自立している人が多いため、男性看護師の業務は、薬の管理や心のケアが中心です。また、患者からの暴力的な危険を伴うリスクがあるので、男性看護師の腕力が頼りになっています。

 

整形外科・リハビリテーション科

整形外科やリハビリテーション科には、怪我や疾患により自力で動けない患者が多く、力のある男性看護師が必要とされます。体位交換や車いすなどの移乗支援において、需要が高いといえるでしょう。夜勤や身体介護もあり、作業療法士や理学療法士とコミュニケーションをとることが多いため、男性職員と働く機会が多いのが特徴です。

 

介護施設

介護施設で働いている人といえば、介護士のイメージを持つ人が多いでしょう。しかし、利用者の健康管理や医療行為は、看護師の業務です。施設によっては、介護士と連携して身体援助することもあります。

 

介護施設のなかでも有料老人ホームは、比較的給与が高く、夜勤手当の支給される施設もあるようです。専門的な知識やスキルを得れば管理職になれる可能性もあり、収入アップが期待できるでしょう。

 

男性看護師として転職を成功させる3つのポイント

働きやすい環境を見つけるためのポイントを解説します。転職を成功させたい男性看護師の人は参考にしてください。

 

1.男性が多い診療科目を探す

職場に男性看護師が多ければ、悩みや不明点があっても先輩や同僚に相談しやすくなります。応募前に転職先の男女比率を確認しましょう。男性の管理者がいる職場では、自身のキャリアの目標にもなります。また、女性が多い職場では、男性への福利厚生が整っていないケースもあるため、男性が在籍している職場を選ぶことで悩みは解消されます。

 

2.自身のキャリアプランを明確にする

男性が活躍できる職場を視野に入れ、働き方の具体的なイメージと今後の目標を明確にしましょう。男性看護師の立場から、自分に合った職場選びとキャリアプランを立てることで、転職先とのミスマッチを防げます。キャリアプランが明確になると、自分に合った職場で働ける可能性が高まり、転職に後悔せず納得できる働き方が可能です。

 

3.医療業界専門の転職支援サービスを活用する

医療業界専門の転職支援サービスは、求職者のキャリアアップや転職をサポートしてくれるだけでなく、求人の紹介や応募書類の添削、面接対策、内定後の対応などをフォローしてくれます。また、非公開求人を紹介してもらえることもあります。転職支援サービスのなかには、豊富な求人情報が無料で利用できるサービスもあるので、活用してみましょう。

 

男性看護師がストレスなく働く3つのコツ

女性看護師が圧倒的に多いなかで、ストレスなく良好な人間関係を築き、働きやすくするための3つのコツを解説します。

 

1.性別の違いを気にしすぎない

性別の違いは業務に影響する場合もありますが、チームで患者をケアすることで性別の壁は乗り越えられます。男性看護師だからという理由で、性別に固執せず、同僚として協力する姿勢が大切です。女性を見下すような言動を避け、男女差別をしないよう意識することで、働きやすい環境へとつながります。

 

2.身だしなみや言葉遣いに気を付ける

看護師に限らず、清潔感のある身だしなみを心がけることは重要です。制服や靴は清潔に保ち、髪型、体臭、口臭などにも配慮するだけで、好印象を得られます。また、外見のケアだけでなく、言葉遣いや立ち振る舞いにも注意しましょう。患者や同僚などに対する社会人としてのマナーも守ることで、好感度が上がります。

 

3.職場の雰囲気や人間関係に振り回されない

男女関係なく、陰口や噂話が起こりやすい職場はあります。陰口や噂話をしている場面に遭遇した際は、肯定も否定もせず、中立的な立ち位置を心がけましょう。人間関係を円滑にするには、裏表のない誠実な対応をするのがコツです。トラブルに巻き込まれないためにも、公平な態度をとり、ほどよい距離感を保つことで働きやすくなります。

 

まとめ

男性看護師は、年々増加しています。力仕事で活躍できたり、男性患者が多い診療科目では頼りにされたりなど、男性ならではの特性を活かせるとキャリアアップにもつながります。今後も男性看護師の需要は高まると予想されているため、より高いスキルを身につけることが重要です。自分に合った職場を探している人には、転職支援サービスをおすすめします。


看護師の転職には、ナースネクストキャリアがおすすめです。看護師通販会員数No.1を誇り、担当地域に専従したアドバイザーが、医療業界、病院情報を知り尽くしたスペシャリストとしてあなたをサポートします。

 

あなたの転職を親身になってサポートいたします。

まずはカンタン無料登録

おすすめコンテンツ

あわせて読みたいおすすめの記事

退職までの流れ

退職までの流れ

退職までの流れ