介護施設の看護師の仕事内容とは?施設の種類やメリット・デメリットについても解説

2024.2.7
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介護施設への転職を考えているものの、介護施設での経験がなく、悩んでいる人は多いのではないでしょうか。介護施設の看護師は、病院看護師と働き方が異なります。この記事では、介護施設で働く看護師について解説します。介護施設における看護師の役割や仕事内容、メリット・デメリットなどについて解説するので、参考にしてください。

 


目次

 

1. 介護施設の看護師の役割とは

 

2. 介護施設で働く看護師の主な仕事内容

 

3. 看護師が働く介護施設の種類

 

4. 介護施設で看護師が働くメリット

 

5. 介護施設で看護師が働くデメリット

 

6. 介護施設で働く看護師の1日の流れ

 

7. 介護施設で働く看護師の給料の目安

 

8. 介護施設で働く看護師に役立つスキルや資格

 

9. 介護施設に向いている看護師とは

 

10. 看護師が働く介護施設を選ぶポイント

 

11. 介護施設で働く看護師の声

 

12. まとめ

 

 

介護施設の看護師の役割とは

介護施設における看護師の役割は、施設利用者の健康管理と医療業務を行うことです。利用者の健康を守ることが医療従事者として求められているため、健康管理がメインになります。しかし、医師が不在の場合は、利用者の体調が急変した際に応急処置をしたり、救急隊や医師へ引き継ぎをしたりすることもあります。

 

病院看護師との違い

介護施設の看護師は医療業務を行う場面が、病院看護師よりも少なくなります。介護施設の医師が不在で、利用者の体調が急変した場合は、看護師の判断により医療業務を行うこともあります。一緒に働くスタッフの職種が異なることも、病院看護師との違いです。

 

介護施設で働く看護師の主な仕事内容

介護施設で働く看護師の主な仕事は、健康管理と医療業務です。ここでは、それぞれの仕事内容について、詳しく解説します。

 

健康管理

介護施設で働く看護師は、健康管理として利用者の体温や血圧測定、軟こうの塗布や湿布を貼るなどをします。また、爪切りや歯を磨く、耳垢の除去など、日常生活のサポートもします。

 

医療業務

看護師は、医師の指示や指導があれば、医療業務が可能です。介護施設においては、例えば、利用者への投薬や点滴、床ずれ処置などが医療業務にあたります。医師からの指示や指導がない場合は、看護師による医療業務はできません。

 

看護師が働く介護施設の種類

介護施設には、さまざまな種類があります。ここでは、6つの介護施設について解説します。

 

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは「特養」とも呼ばれ、社会福祉法人や市区町村が運営する公的施設です。要介護3以上で、食事や排泄などの常時介護が必要なものの、医療ニーズが高くない利用者が多く入居しています。

 

有料老人ホーム

有料老人ホームは、民間が運営する施設で、要介護者のみが入居する「介護用型」と、自立・要支援と要介護のどちらもが入居する「混合型」があります。入居者に対するサービスや要介護度、看護師の仕事内容は、施設によって異なります。

 

介護老人保健施設

介護老人保健施設は「老健」とも呼ばれ、医師が常勤し、看護師が24時間体制で常駐する公的施設です。要介護認定の利用者が自立生活を目指すために、介護業務の他にリハビリテーションも提供します。

 

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、一般的に介護サービスはなく、日常生活に不安がある高齢者が安心して暮らす民間施設です。看護師は、生活の相談や安否確認などを行いますが、働き方は施設により常駐や訪問看護など異なります。

 

介護療養型施設

介護療養型施設は、介護療養型医療施設に変わり、2018年に新たに法定化された公的施設です。医学管理やターミナルケアなどの機能を兼ね備え、慢性的な症状を持つ利用者が療養できます。新しい施設のため、看護師の求人は今後増えることが考えられます。

 

デイサービス

デイサービスには公的と民間の施設があり、利用者は、食事や入浴のサポートなどの介護ケアを、日帰りで受けられます。利用者の社会的な孤立を防ぐ他に、一緒に暮らす家族の負担を減らすことを目的とした施設です。利用できる人は、要介護の認定を受けた人に限られます。

 

介護施設で看護師が働くメリット

看護師が介護施設で働くと、多くのメリットが得られます。ここでは、5つのメリットについて解説します。

 

1人ひとりに長くかかわれる

介護施設は生活の場であるため、利用者の暮らしに寄り添った看護をします。急患が入ることはほとんどなく、基本的に決められた時間に業務を終了できるため、病院ほど忙しくありません。利用者1人ひとりに寄り添い、長くかかわれます。

 

体力を使う仕事が少ない

介護施設で働く看護師は、肉体労働が多い病院看護師と比べて、体力的な負担は少ないといえます。介護施設では、身体介護の多くは介護士が中心になり、看護師が主に行う仕事ではありません。

 

夜勤や残業は少ない

介護施設では、病院のような急患の入院対応はなく残業も少ないため、ほぼ定時に退勤できます。また、夜勤のないデイサービスのような介護施設も多くあります。

 

スキルや経験を重要視されない

介護施設の仕事は、利用者の健康管理がメインであり、病院看護師のようにスキルや経験を重要としないケースが多いようです。そのため、ブランクがあり復職に悩む看護師にとっては、働きやすい職場といえます。

 

介護現場で活躍できる看護師のニーズが拡大している

高齢化により介護施設の数は年々増え、介護の現場において看護師のニーズは拡大しています。介護施設によっては、医療ケアが必要な利用者もいるため、看護師は必要な存在です。今後はさらに求人数が増え、介護現場で活躍できる看護師が重宝されるでしょう。

 

介護施設で看護師が働くデメリット

看護師が介護施設で働くには、デメリットがあることも事実です。代表的なデメリットを5つ解説します。

 

責任を重く感じる

看護師のなかには、医療業務の判断に対して、重い責任を感じる人もいます。医師が不在の介護施設では、看護師が医療業務の判断を受け持つ場合も多いでしょう。利用者の多くは高齢者であるため、急な体調変化や異常がおこると命に関わる場合もあり、看護師は正確かつ迅速に判断を下さなくてはなりません。

 

介護施設内に看護師が少ない

介護施設では、配置される看護師は1人から数人であり、多くありません。介護施設に勤務している看護師が自分だけの場合、病院看護師とは違う不安を感じる場合もあるでしょう。

 

コミュニケーションが苦手な場合は苦労する

介護施設の利用者のなかには、認知症や障害を抱えている人もいるため、コミュニケーションのとり方に苦労する場合があります。また、介護職スタッフやリハビリスタッフなどとのコミュニケーションが難しいと感じる場合もあるようです。

 

病院に比べて収入が少ない

介護施設で働く看護師は、夜勤や残業が少ないため、病院看護師に比べて収入が少ない傾向にあります。しかし、施設によっては夜勤やオンコールがあり、病院看護師と収入が変わらない場合もあります。

 

スキルの発揮や習得する機会が少ない

介護施設では、看護師は利用者の健康管理がメインとなり、高度な医療処置が必要な場面は多くありません。介護施設で医療の知識や技術を得られる機会が少ないため、スキルアップを目指す場合は、施設外で学ぶ必要があります。

 

介護施設で働く看護師の1日の流れ

介護施設で働く看護師の1日は、以下のような流れになります。

 

時刻

スケジュール内容

9:00

出勤・申し送りなど

9:30

利用者の健康確認や状態に合わせた医療業務

11:00

介護職スタッフと連携して、利用者の入浴前後の健康確認

12:00

利用者の服薬準備や昼食サポート

13:00

昼休憩

14:00

レクリエーションのサポートや通院介助

16:00

カンファレンスと看護記録の作成

17:00

申し送りと利用者の夕食サポート

17:30

退勤

 

介護施設で働く看護師の給料の目安

介護施設で働く看護師の給料は、職場や地域によって幅があり、常勤・非常勤によっても異なります。年収は約158万〜443万円で、パートタイムや派遣契約の看護師の場合は、時給1,650円前後が目安です。

 

※参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省老健局老人保健課

 

介護施設で働く看護師に役立つスキルや資格

介護施設で働くには、基本的な看護技術と経験があれば、特別な資格は必要ありません。介護施設の看護師に求められるスキルについては、長きに渡り利用者の健康管理をするスキルがもっとも重要なため、高齢者に対する理解を深めて、上手に対応できる方法を身に付けましょう。また、自分の心をコントロールするスキルや、「特定看護師」のスキルもおすすめです。

 

特定看護師とは、地域や施設ごとのニーズに合わせて実施される「特定行為研修」を修了した看護師です。看護の専門性と医療・看護の質の向上に役立つだけでなく、医師の判断を待たずに、一定の診療補助を行えます。

 

介護施設に向いている看護師とは

介護施設で働く看護師には、どのような人が向いているのでしょうか。ここでは、3つのポイントを解説します。

 

仕事とプライベートを両立したい

子育てや家族の介護などをしながら働きたい人や、仕事とプライベートを両立したい人には、介護施設で働くことをおすすめします。介護施設では、残業や夜勤が少なく、勤務時間が決まっている施設も多く、仕事とプライベートが両立しやすいといえます。

 

介護やターミナルケアに興味がある

介護施設では、高齢者介護や認知症ケア、ターミナルケアなどの学びを深められるため、興味がある人におすすめです。ターミナルケアとは、さまざまな医療の効果が見込めず、余命がわずかと判断された終末期に行う医療や介護ケアのことです。

 

キャリアにブランクがある

介護施設では、利用者の健康管理がメインなため医療行為が多くありません。そのため、ブランクがある人におすすめです。介護施設では、業務負担を比較的感じることなく勤務できる人が多いようです。

 

看護師が働く介護施設を選ぶポイント

介護施設では、介護老人保健施設は夜勤、特別養護老人ホームはオンコール体制、小規模施設は看護以外の仕事をするなど、勤務条件はそれぞれ異なります。どんな仕事をしたいのか、目的を明確にして、事前に情報収集や確認をしてから応募しましょう。

 

介護施設で働く看護師の声

介護施設で実際に働く看護師からは、以下のような体験談やエピソードがありますので、参考にしてください。

 

やりがいがある

病院看護師のやりがいとは違うものの、日常生活の看護援助を、利用者1人ひとりと深く向き合いながら行うため、やりがいを感じます。時間はかかりますが、利用者との信頼関係が築けます。

 

毎日にゆとりがある

病院看護師に比べて残業や夜勤が少なく、休日も満喫できて、日々の暮らしにゆとりがあります。介護施設の立地がよければ、通勤にも余裕が生まれます。

 

人間関係がよい

介護施設は人間関係がよいと感じました。介護施設での勤務には、利用者である高齢者とのコミュニケーションだけでなく、介護職スタッフや医師との連携が必須です。いつもさまざまな人と相談・協力しています。

 

まとめ

介護施設で働く看護師は、病院看護師とは異なり、利用者の健康管理がメインの仕事になります。体力を使う仕事が少なく、夜勤や残業が少ないことは大きなメリットといえるでしょう。介護施設には、さまざまな種類があるため、勤務条件や目的を明確にしてから応募することをおすすめします。

 

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